仏教や神道では故人が仏や神になりますが、キリスト教の考えではそうではありません。キリスト教では、死は神のみもとに召されることであり、永遠の命の始まりであると考えられます。そのため祈りを捧げる対象は故人ではなく神となります。
●キリスト教の通夜・葬儀
日本で行われているキリスト教の葬儀は日本独自のものです。通夜・葬儀にあたる儀式は教会や斎場、自宅で執り行われ、「カトリック」と「プロテスタント」の他、宗派や教会ごとに若干内容が異なります。儀式では聖歌や賛美歌の斉唱、聖書の朗読や説教、祈祷、お焼香にあたる献花などが行われます。
●キリスト教の葬儀に参列する時の注意点
「カトリック」と「プロテスタント」では儀式の流れが異なります。
プロテスタントの葬儀は、故人は神のもとで安らかになり遺族を慰めるという考えがあるため、神に捧げる祈りが中心となり、カトリックの葬儀は、故人の生前における罪を神に詫びて許しを請い、永遠の命を得られるように祈ります。
また、言葉の違いもあり、カトリックでは"神父・聖歌"という言葉が使われるのに対して、プロテスタントでは"牧師・賛美歌"という言葉が使われるなど、宗派によって異なりますので注意しましょう。賛美歌や聖歌は知らなければ歌わなくても問題ありませんので、静かに拝聴しましょう。また信者でなければ胸で十字を切る必要もありません。
キリスト教で供えられるのは原則として生花のみで、供物を供える習慣はありません。不祝儀袋は無地の白封筒かユリや十字架が描かれたのし袋を用い、表書きはどちらの宗派でも使える「御花料」とするのがいいでしょう。
キリスト教では、「死」は悲しく不幸なことではなく、神に召されるという祝福されることなので遺族に声を掛ける場合は、「安らかな眠りをお祈り致します」など、そして、弔電を送る場合は「神のもとに召され、安らかにお眠りください」など、キリスト教に適した内容にします。
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