不祝儀袋の表書きは、正式には『薄墨の毛筆』で書きますが、なければ筆ペンでもかまいません。
○なぜ、薄墨を使用する?
「墨をすって濃くしても、あふれる涙で墨が薄まってしまう」
「書いた文字が涙でにじんで色が薄くなってしまう」
など、"悲しみで涙に暮れている"という意味や、"急なことで時間がなく、する墨が十分に用意できず薄墨のまま書き、駆けつけた"など『突然の訃報を悲しむ』という意味があるとされ、江戸時代から続いているとされています。
また、表書きにサインペンやボールペンなどを使うのは、作法上では略式とみなされるため、あまり良いことではありません。最近では、コンビニなどで薄墨の筆ペンなどが販売されておりますので、特に急ぎでない限りは正式の表書きをしましょう。
不祝儀袋の表書きは、葬儀や法要など式により違いがあります。
〔仏式の法要〕の場合は以下のように書きます。
・御仏前
故人様は四十九日法要後は、仏様になることから(霊 → 仏)『御仏前』としす。
・御供物料
「供物を供えて下さい」の意味があり、どの宗派でも使用できます。
・卒塔婆料
卒塔婆を立てる時に使用し、『御塔婆料』でも大丈夫です。御供物料とは別に白無地の袋に包みます。
群馬県や北関東の一部では葬儀で「新生活」という言葉を目にすることがあります。これは戦後、経済的に大変な時期、葬儀に参列するにあたり、香典の負担を少しでも軽くしようと始まった運動で、比較的少額を包む代わりに香典返しを辞退するというものです。
「新生活」対応をする場合は、不祝儀袋の隅に"香典返し辞退"の旨を書きましょう。コンビニなどでは、この言葉が予め記載されているものも販売されているようです。
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