今回は女性の喪服についてご紹介します。
本来「喪服」の文字は、ご遺族が「喪に服している」に由来し、故人様が亡くなってから一定期間、着用するものとされています。
女性の喪服には3種類あり、最も格式の高いモーニング・和装などの正式礼装『正喪服』は、ご遺族側(一般に三親等まで)が着用し、『準喪服』は参列する側の方が着用する、肌の露出が少ない黒のワンピース、スーツやパンツスタイルなどの一般的な礼服で、故人を偲ぶための正装をするという意味で、親族よりも格上にならないようにします。また、『略喪服』は、仮通夜・通夜や一般的に七回忌法要に着用する地味なワンピース、スーツをさし、平服と呼ぶこともあります。
各儀式において着用する喪服やメイクについてご紹介します。
●仮通夜・通夜での衣服
仮通夜は亡くなった直後に行われる為、「取り急ぎ駆けつける」という意味で紺・グレーなどの地味な色のスーツやワンピース、または黒無地のブラウスとスカートなど地味な平服でもかまいません。ストッキングは黒または肌色に。事前に通夜の日時がわかっていて時間がある場合は、葬儀・告別式と同様にブラックフォーマルを着用しましょう。
●葬儀・告別式での洋装
黒のワンピースやアンサンブル、スーツなどのブラックフォーマルで、肌をあまり見せないのが礼儀です。夏場でも肘が隠れる五分袖にして、スカート丈は動いても膝が見えない丈にしましょう。立ったり座ったりする動作が多くなるので、タイトなものよりはフレアタイプの方が動きやすく、シワにもなりにくくておすすめです。衣服の装飾はあまり華やかにならない程度であれば問題ありません。シンプルながら、サテンやリボン・刺繍が施してあるなど、女性らしいデザインのブラックフォーマルも素敵です。ストッキングと靴は黒にしましょう。シンプルで光沢のない布製パンプスなら足の疲れも少なく、弔事にはふさわしいと思います。
●葬儀・告別式での和装
喪主や一般的に三親等までの遺族が着る和装は、黒無地で染め抜き五つ紋付の正喪服とします。現在はレンタル喪服も増えていて、レンタル先や葬儀社が着付け師を手配してくれる場合もあります。黒無地の帯、白い足袋、黒の草履を着用し、帯留めや髪飾りなどは使用しないようにします。暑い時期は風通しの良い薄物のものを、寒い時期は裏地のある袷(あわせ)のものを選びます。
和装の喪服は着る機会が少ない方が多いと思いますので、レンタル先や葬儀社などでどのようなものがいいのか聞いてみるといいでしょう。
●葬儀・告別式での化粧
正式・略式喪服にかかわらず、派手なメイクやノーメイクはマナー違反となります。アイシャドーやチークはつけず、アイラインも自然に仕上げ、全体的に薄目の色を選ぶようにします。礼儀にかなった、全体に品の良い自然なお化粧で装いましょう。故人を想い弔う場では、清潔感のあるつつましい弔意を込めた装いを心がけたいものです。
次回は、続きとしまして、女性の喪服に合わせる靴やコートなどを選ぶポイントをご紹介します。
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