気温が35度以上を猛暑日と呼びますが、連日40度前後の「危険な暑さ」が続いているこの時期は何と言っても熱中症に気をつける必要があります。
環境相と気象庁で令和3年より運用開始された「熱中症アラート」は、危険な暑さに対し、急用以外の外出を控え、水分補給と休息を促すなどを国民に呼びかけるもので、テレビやラジオなどの通信媒体、アプリ、メールや自治体による広報など多くの場面で聞かれるようになりました。熱中症予防のために是非、活用することをお勧めします。
炎天下でなくても湿度が高く暑い日は、レジャーや運動で外出したり、畑仕事など屋外で作業をされる時や屋内でも特に下記の点に気をつけたいところです。手軽にできる熱中症対策と夏バテ対策を覚えておきましょう。
●水分をこまめに、塩分をほどよく取る
熱中症予防には水分と塩分の補給が大切です。のどが渇いたと感じる時は、すでに体が水分不足になっている時です。のどが乾いていなくても、屋外ではスポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料で定期的に水分補給しましょう。スポーツドリンクがない時などは、市販されている塩分や各種ミネラルが入ったタブレットや塩飴などを常備しておき、水とともに補給するのもおすすめです。大量に汗をかく時は相応の補給が必要となります。最近では、スーパーやドラッグストアなどでも熱中症対策コーナーを設け、これらの補給食品を手軽に購入できるようになりましたので活用するといいでしょう。
ただし、塩分や糖分に関する持病のある方は、主治医の指示にしたがった補給を心がけましょう。
新型コロナ感染症に対する要件が緩和されたとはいえ、感染予防のため、マスクを着用する人は依然多いようです。夏場のマスク着用は、呼気により常に喉が潤う状態になりますので、のどの渇きが感じられないことが多く水分補給がおろそかになりがちです。マスク着用時は水分補給を常に気に留めることと、周囲に人がいない時はマスクを外すことをお勧めします。「かくれ熱中症」と呼ばれる自覚症状がないものもあり、急な頭痛、吐き気、けいれんや意識障害で救急搬送されるケースまであるようですので夏場は特に注意をする必要がありそうです。
●バランスの良い食事と睡眠など、生活環境を整える
熱中症予防のための適度な水分・塩分摂取以外の対策としては、食事と睡眠をしっかり取り、体調を整えることが大切です。25度以上の熱帯夜はタイマー設定ではなく一晩中エアコンをつけておきましょう。就寝1時間前に低めの温度設定でしっかりと冷やし、寝る直前にエアコンの設定温度を上げます。この時、できれば保温性、吸湿性、放湿性に優れている羽毛布団を使用すると快適な睡眠がとれるはずです。
高温の日中はできるだけ外出を控えることが大切ですが、やむを得なく出かけることが多い方の場合、熱中症や夏バテ予防のために以下のような対策を積極的に行うことをおすすめします。
・水を含ませるだけで冷感が長続きする首当てや首かけ用の小型扇風機などの冷却グッズを使用する。
※首元など体の表面近くに太い血管が通っている場所を冷やし、体温上昇を抑えることができます。
・吸水性・通気性・速乾性の良い衣服(麻・綿など)や接触冷感のインナーを着用する。
・炎天下では帽子や日傘を使用する。
・日陰でこまめに休憩をとる。
・屋内では冷房や扇風機、遮光カーテンやすだれなど使い、気温を下げる工夫をする。
※冷房は外気温との差をなるべく小さくするため、公共施設では28度設定とされていますが、猛暑日(35度以上)など体感温度が高い場合はこれに限らず心地よい温度まで下げましょう。
・打ち水をすることで路面温度を下げる。
・体の内部からの予防策としてレモンや豚肉などを意識して食べる。
この他に、夏前の事前対策として暖かくなる春ごろから日常的に適度な運動をおこない、 汗をかく癖をつけ暑さに負けない丈夫な体づくりをすることも大切となります。
自分では大丈夫と思っていても、体は暑さに悲鳴を上げているかもしれません。熱中症にならないように無理せず、できるだけ猛暑日は不要不急の外出を控えるなど気に留め、無理せず熱い夏を乗り切りましょう。
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